聖アンセルモ目黒教会

目黒駅近くにあるアントニン・レーモンド設計の教会です。コンクリート打ち放しで、光のスリットを持つ壁と、シェル構造の力強い屋根でがっしりと守られた聖堂です。 打ち放しという素材は、光を受けて、銀色に輝くというか、光を受けて初めて静かなる趣きが出る素材であると改めて感じました。 壁は、柱を兼ねていて、段々になったスリットから美しい光が聖堂全体を包み込みます。このスリットは、東京女子大の講堂や、群馬音楽センターへと受け継がれていきます。いかにして、シンプルにしかも合理性を持ちつつ、光を感動的に感じるかを相当考えた答えがこの形だったのでしょう。意匠と構造の見事な融合です。 祭壇側から入口方向を振り返ると、ステンドガラスで美しく飾られた窓と、パイプオルガンが目に飛び込んできます。 白いスリットからの光と、ステンドガラスから差し込む色とりどりの光。その対比が更にこの聖堂を奥深いものにしているのではないでしょうか。

この投稿へのコメント

  1. snow said on 2010年1月30日 at 12:07 PM

    美しいですね!
    特に最初の写真。久々に感動しました…
    近代建築にも、こういうのあるんだ。
    ところで、5つの○は何で出来ていて、何を意味してるのでしょう。
    分かっていたら、教えてください。

  2. ヒゲのひでちゃん said on 2010年1月30日 at 9:14 PM

    設計者であるレーモンドが工事完成間際に、打ち放しの壁を白く塗り、そこに5つの正円を描きました。レーモンドとしてはそこにフレスコ画を企画していて、それができるまでの臨時処置だったそうです。5つの円の意味は残念ですがわかりません。平和や、完全さを表現しているのでしょうか?