二郎は鮨の夢を見る 究極の職人の姿を見る

映画 二郎は鮨の夢を見る を見ました。 これぞ職人という映画です。建築もまったく同じだなーと思いました。 客の前にでてくる一貫の鮨。でもその姿になるまでには、はてしない道のりがあります。良いネタが鮨の良し悪しを決める要素で、その最高のネタを仕入れるためには、まずその日市場にでる魚の良し悪しが解る仲買の人がその日一番のものを仕入れないといけません。そういう仲買のプロが沢山いて、マグロに関してはこの人、えびはこの人、たこはこの人というように、その道に長けた本当のプロがそれぞれの目で、最高のネタを集め、その集積が材料の良し悪しに反映されます。お鮨屋さんはその集められた最高の素材を調理し、最高の味に仕立てて客の前にでてくるのです。 建築も同じで、多くの専門の技術者がまず集まり、意匠・構造・設備とまとまり、次にサッシ屋、金物屋、仕上げ業者、設備業者の智恵をまとめ設計図を作り、次に優れた職人さん達の手によってやっと一つの建築として見える形で姿を現すわけです。 住宅という小さな建築一つにしろ、何百人の智恵と汗が合わさってできるのです。しかも、その一人一人の持っている知識や技量が大きければ大きいほど、最後にできる建築は大きなエネルギーを持ち、クライアントのハートに強く訴えてくるのです。 人と人とのつながりが全てなんだなーと思っています。 24時間二郎さんは鮨のことを考えています。私も同じで24時間とは言いませんが建築の事を考えています。 次は、もっと良い建築を作りたいと思いますし、その思いがないと明日の進歩はありません。これからも、いつも新鮮な気持ちで建築に取り組んでいきたいと思います。 この映画、職人さんに限らず、自分の生き方に熱い想いを持っている人には是非見て頂きたい映画だと思いました。