遠藤新 目白が丘教会

目白駅から徒歩で数分のところに建築家遠藤新の最後の作品である目白が丘教会があります。完成を見ずに亡くなられたそうですが、息子さんの建築家遠藤楽さんがまとめられました。 遠藤新は、フランクロイドライトの弟子で東京帝国ホテルの設計に携わり、自由学園、甲子園ホテルはじめ多くの作品を残しています。ライトの作風を色濃く残しながら落ち着きのある飽きのこないデザインで今でも十分勉強させられます。 屋根の破風のところは大谷石。しっかりした重量感のある屋根になっています。 棟のところがやや外に出ていて、庇の出寸法が棟のところと軒のところで微妙に違います。これはパースペクティブを考慮し、屋根がすっきりと綺麗に見えるように考えられた結果の設計です。 大きな出の軒部分の天井には丸い光り採りが空けられています。 建物に暗い陰影のある部分を設け、建物全体として見たときに彫りの深い奥行感を出すとともに、暗い軒したにも光を取り入れる工夫が見えます。 内部は、大きな2つのアーチで支えられた白い空間。腰から下は濃いブラウンの木で構成されていてとても落ち着く教会ならではのデザインです。 建物の西には遠藤楽さん設計の幼稚園があり、そこの園庭に池があります。 西日がその池に当たり、反射した光が教会の天井に波紋として現れるように工夫されていました。憎いばかりの演出です。