ジェフリー・バワ ヘリタンス・カンダラマホテル(16)森に溶け込むホテル

ヘリタンス・カンダラマホテルに関する記述は今日で終わり。屋上緑化はよく聞く言葉ですが、本当は建築も森と一体化させたいと思う設計者も多いと思います。このカンダラマホテルはそんな想いを実現化させた先駆的なホテルだと思います。常夏ならではの気候に合った建築ではないでしょうか。建物は実にシンプル。ですがそれをうまいこと自然に寄り添わせ、森の中にあるような建物になっています。 ベランダには構造フレームをクロスに組んでそこに木を並べ、植栽がそこにまとわりつくように考えています。 建物はコンクリートでフレームに緑、濃い緑、白を実にうまく塗装し、遠くからは森に見え、内部からは白いフレームの向こうに森があるように感じさせます。 長い廊下は、自然の中の歩道のようで、しばらくあるくと池ならぬプールが現れ、視界が開け、本当に飽きさせない工夫がさりげなく随所に散りばめられています。 これは岩のプール。3つのプールの一つです。 やはりジェフリー・バワの秀作のひとつであることは間違いありません。