思いっきりバンドを楽しめる地下の音楽スタジオ

オーナーの趣味は、仲間たちとのジャズバンド。毎年コンサートを開く腕前は半端ではありません。もうセミプロレベル。この建物の地下には、思いっきり演奏ができる音楽スタジオを設けました。約20畳あるスタジオは、防音には特に気を使いながら設計しています。ピアノなら地上で、しかも木造でもそれなりの防音設計ができますが、ドラムやベースが入りますと、そうはいきません。まず重たい壁で区切ることが一番。したがってコンクリート造となります。更に地下にスタジオを設けることで、より防音に対して有利となります。そのコンクリートの箱の中に、遮音材を挟んで、もう一つ部屋を作ります。内側の部屋の振動がコンクリートに伝わらないように緩衝材、防音材を上手く組み合わせ作っていきます。 音は隙間から外に出ますので、一番は扉の遮音性。ここでは遮音扉を2枚使っています。本格的なコンサートホールでも廊下とホールには2枚扉がありますが、それと同じ原理。扉と扉の間は1m開けると有効と言われていますが、今回はそこまでの余裕はありませんでした。ただ、前室というフィルターを介していますので、かなりの音が減衰します。 もう一つは空調の為のダクトの穴。下手をしますと、ご近所にはこのダクトの換気口から音が漏れてクレームになりかねません。消音ダンパーやダクト長さを長くし、換気口の位置を近隣状況を考慮しながら設計を進めました。 その甲斐もあり、かなりグレードの高いスタジオが完成しました。音響のプロも交え、遮音防音壁の位置や面積を計算し、出来上がった力作です。