坂倉準三 神奈川県立近代美術館鎌倉館 水の波紋を写す庇(軒裏)と細い鉄骨柱

2階の展示室を見ますと、次は外部テラスから1階まで階段で下りてきます。そこで目にするのが、池とその池に跳ね出すテラス。2階の白いキューブを支える細い鉄骨の柱が並び、池の上の束石に載ります。池に反射した日の光は、白い天井に写り、池にできる風の波紋をきれいに映し出します。見事な演出。 庇(軒裏)に写りこむ波紋 柱が石の上に載るのは、日本建築を意識したものか。 緊張感を感じさせる素材と素材のぶつかり合い。 コンクリートの手すりは力強く、しかも透明感があります。 美術品をじっくり堪能したあとで、この景色を見ながら自然の持つ美しさ、光の有難さにまた胸を打たれます。この美術館は身体を通して美を体感できる美術館であると改めて思いました。