金沢市立玉川図書館 谷口吉郎、谷口吉生親子で携わった建築

谷口さんの建築は、学ぶところが多く、いつも感動させられますが、この金沢市玉川図書館も良かった。煉瓦造りの専売公社工場を改修して近世資料館とし、その隣にコールテン鋼のシンプルな外壁を持つ図書館があります。この建築は谷口親子の唯一の設計です。掘りの深い重厚感がある煉瓦建築に対して、スパッと切れ味ある建物を並べたどちらも引き立つ外観。 図書館への入り口はいくつかありますが、ここが通りから入るメインの玄関。 コールテン鋼の四角いボリュームの中にステンレスの光る円柱が差し込まれ、その両側に対称に入り口が設けられています。低いエントランスは良いですね。 古文書館と図書館との間のアプローチ。古文書館にはこちらからのアプローチできます。 奥の左側には大きな開口があり、そこからが中庭 コールテン鋼の外壁と煉瓦造の外壁がここから上手いこと混ざりあいます。 中庭の床は煉瓦タイル。図書館の中庭に面する外壁は円形のガラスカーテンウォールになっていて、中庭と一体化するようなデザイン。 繋がりが感じられ、違和感が全くおこりません。落ち着いた中庭ゲート廻り 中庭には緑色の鉄骨の梁が内部から伸びてきて、この中庭を貫通して反対側の煉瓦壁に繋がります。 内部と外部を上手くつなげる中間領域としての中庭。内外をしっかりわけるのでは無くて、つなげていくように見せる。梁のデザインにはそういう意味も含まれています。