ジョルジョ・モランディーの静かな絵画を見る

東京ステーションギャラリーで開催中のイタリアの画家ジョルジョ・モランディー展に行ってきました。故郷ボローニアからほとんど外に出ることなく、自分のアトリエで静物や窓から見える風景を描いた20世紀最大の静物画家。作品を見ますと、その置かれたビンや器の安定した配置関係、器のもつ何とも言えないプロポーションの美しさ、重ねられた色彩の暖かさを感じることができ。幸せな気分に浸れました。とにかく静かなんです。時間がゆっくり流れていくのを感じます。静物画を見てこれほど感動したことはなかったので、新たな発見でもありました。人の手によってつくられるものはなんでもそうですが、その作者、製作者の心のあり方がそのまま作品に写りこむのだなーと思いました。モランディは心がいつも静かで、大地にしっかりと根が生え、ものの本質を鋭く理解できる人であったのでしょうね。 建物も窓など、ディテールとなる部分は描かず、その物の持つボリュームや本質が描かれています。 私は絵ハガキを購入して、打合せノートに貼り、心が乱された時にはこの絵を見るようにしてます。