街並みに優しい木製ルーバーの家

POINT
ピアノ演奏の音響を考慮し、1階をRC造(鉄筋コンクリート造)、2階を木造とした混構造の家
街に面する外壁に、木のルーバーを設けた、街並みに配慮した家
ルーバーで囲まれた中庭の緑を眺めて暮らす家

3世代8人が住む2世帯住宅です。
残りの人生を楽しくゆったりと過ごそうという1階の家族と、ご主人が音楽の先生をしている2階の家族が、つかず離れず安心して暮らせる家を目指しました。
2階で気兼ねなく音楽演奏ができるよう音響を考慮し、1階をRC造、2階を木造の混構造としました。

全面道路には駐車場を設け、駐車場とリビングの間には木製ルーバー壁を介して、中庭を設けました。

住む人のプライバシーを保ちながら、ルーバーを通して自然の緑や柔らかい光、南北に抜ける風、
そして街の気配が感じられます。また、ルーバーにすることで、リビングからは、内と外がひとつながりになった空間を感じる事ができます。

2階は、ピアノを中心として音楽ホールのような空間の拡がりと、美しい音響効果をもたせるため、勾配屋根の木構造をそのまま天井に表し、トップライトからは柔らかい光を採り入れました。

1階、2階共に床は無垢板のフローリング、壁はホタテ貝の貝殻を利用したチャフウォール塗装で、自然素材に囲まれた心地良い家です。

街並みと調和のとれた外観

全面道路にコートヤードと駐車スペースをとり、視界が拡がることで街に対して威圧感を無くした配置とし、外壁には木製ルーバーを設けました。
木製ルーバーの内側は中庭となっています。

正面左が2階世帯の入口で、右奥が1階世帯への入口。
右手前の木の箱は、倉庫。玄関が道から直接見えないように目隠しの役割もあります。

シンボルツリーのあるコートヤード

コートヤードにはヒメシャラの株立ちをシンボルツリーとして植えました
ヒメシャラの木は、広葉落葉樹で四季を感じさせてくれます。夏には白い花が咲き、街に季節を伝えます。

床は、コンクリートの洗い出し仕上げ。
床のスリットにはリュウノヒゲを植えアクセントとし、又駐車するときの目印としました。

木製ルーバーと、コンクリート打放しの外観

木のルーバーは、内側にある中庭に面しており、光と風を室内に呼び込みながら目隠しの役目もします。
材料は、レッドシダーにシッケンズ塗装。
シッケンズ塗装は、自然塗料で自然に優しく浸透性があるので、耐久性にも優れています。
コンクリート打放しの力強い壁と木製ルーバーの陰影ある柔らかい壁のコントラストは、街に対してインパクトを与えます。
シンプルであるがゆえに、印象に残る力強さがあります。

木製ルーバーと木の外壁で囲まれた中庭

1階の木々の緑は2階からも眺められます。
木製ルーバーは斜めに勾配をとっていて、街からの視線を遮ると共に上からの光を採りこみます。
風は両サイドにも抜け、中庭の木々にとっても優しい中庭です。

オープンデッキのある中庭

1階リビング・和室から中庭を見たところ。
中庭には季節ごとに違う花が咲き、目を楽しませてくれます。
スリット状の光が美しく室内を照らします

サッシは全て断熱木製サッシ
木製サッシは、木の外壁に合い、重厚感を持ち、さらに断熱性能にも優れています。
夏は引き戸を全開にして、中庭とひと続きのリビングとなり、デッキに出てひと休みもできます。

曲面壁のある1階玄関ホール

1階の玄関を入ると正面にアールの壁を設け、視線が中庭の方に向くようにしました。
目線を移動させることで、限られた空間を広く感じさせることができます。

アールの壁の後ろは、テレビ台のあるリビングコーナー。
造り付の家具は、木製サッシの色に合わせ、全体的に調和のとれた色調としました。

開放的な間取りプラン

1階は、コンクリート造でフラット天井。
2階で音楽のミニコンサートを開いても、音が気にならないようにする為の構造です。
床は、ナラフローリングで、温水床暖房。ナラは、堅い木で家具やフローリング材として良く使います。

リビング・ダイニング・和室は、オープンな開放性のある1室空間で、その他にプライベートな部屋が3室あります。
1階は、高齢者が多いので、段差なしのバリアフリー空間。廊下には手摺も設置しました。
壁は、1,2階とも帆立貝の殻を使ったチャフウォール塗装。
チャフウォールは調湿作用と、臭いや化学物質を吸着する作用がある優れた自然素材です。

大黒柱のある2階リビング

2階のピアノがあるリビング・ダイニング。
リビング・ダイニング・キッチン・寝室と繋がる開放的な間取りプラン。
奥の寝室は布団を使用しますが、昼間は間仕切り扉を開放して、ひとつながりのワンルームとなります。
右の壁の奥は、キッチンと繋がるユーティリティー。
奥様の作業動線を考慮し、洗濯機置場と食材の倉庫となっています。

天井は木造の力強い架構をそのまま表したデザイン。
天井板は貼らず、木造の構造架構をそのまま化粧で表した無駄のないデザインとしました。
杉の大黒柱の丁度真上にトップライトを設け、大黒柱に光が注ぎます。

ミニコンサートができる家

ワイド寸法が大きなリビングにはトップライトから明るい光が注ぎ、部屋全体を明るく照らします。
ピアノが置かれた床は、音の響きが伝わらないようにこの部分だけ他の床と縁を切り、床下にはクッション材を敷きました。ピアノの音は船底天井に反射して美しく響きます。
ピアノを囲んでミニコンサートも開けます。

ピアノスペースに沿って壁際にはパソコンスペースを設けました

高気密高断熱仕様のため、家全体がほんのり暖かく冬は特に快適です。
断熱材は、松永Z工法によるセルロースファイバー壁充填方式。
古新聞とファイバーを混ぜて、壁内に充填吹付けするもので、気密性に優れ、調湿性能もある断熱材です。
床は、桐のフローリング。
桐のフローリングは、空気層が多く素足で歩くと柔らかく暖かい材料です。

オープンキッチンのある開放的な間取りプラン

オープンキッチンは、作業をしながらリビングの人と話ができますし、テレビも見れます。
何と言っても解放感と広さが感じられるのがオープンキッチンの良い点です。

キッチンは、キッチンハウス製のシステムキッチン。
キッチンの作業する手元は、ハイカウンターで隠します。

ロフトのある子供部屋

2階の子供部屋
屋根の勾配を利用して、ロフト空間を設けています。
ロフトは、空間の有効利用ですが縦に視界が拡がるので広さを感じます。
低い天井と壁で囲まれたロフトは、ちょっとした隠れ家です。
ベッドルームとしても、小さな書斎スペースとしても使える魅力ある空間です。

木の香りが漂う浴室

青森ヒバを用いた1階の浴室
水がかかる部分は200角タイルで、床もヒバ板
ヒバの浴室は、何と言ってもその香りでが特徴で、湯気と共に嗅ぐことで心も身体も癒されます。