ギャラリー古藤(ギャラリーのある家)
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- POINT
- 1階に骨董品と音響を考慮したギャラリー、2・3階をオーナーの住まいにした都市型の店舗併用住宅
- 木製サッシとダークブラウンの外壁で、千川通りの街並みに溶け込む外観
- 吹抜けを介してつながる開放的で明るく風通しの良い住まい
クライアントが定年退職後ギャラリーと古美術店を経営し、新しい人生をスタートする場として今回の計画は始まりました。 いくつかの土地と中古建物を検討し、最終的に辿り着いたのが千川通りに面する緑豊かなこの場所でした。 建物は、周辺の町並みに合わせながらも、ダークブラウンの外壁と木製サッシで存在感のあるものにしました。 1階は、骨董店「古藤」と奥に「ギャラリーフルトウ」があり、2,3階はオーナーの住宅です。駐車場のコーナーの柱を抜くことで 解放感のあるエントランスがゲストを迎えます。1階ギャラリーは防音対策を充分に行い、最新3D装置を用いた現代アート からミニコンサート、自主映画の鑑賞まで、多様な用途に対応できます。
2、3階の住宅は、吹抜けリビングを中心に、階段から個室へと空間が連続して繋がり、風が抜け、どの部屋にも 光が入る、明るく快適な住まいです。
隣地に面する神社の緑を借景にした落着いた個室と、千川通りの緑を取込んだ開放的なリビング・ダイニング 使い勝手がよく、多機能に使えるギャラリーと、自然を身近に感じながら、新しい人生を送る家族に適した建築に なりました。
ギャラリー古藤 http://furuto.art.coocan.jp
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千川通りに面した鉄骨造3階建都市型住宅
外壁は、ALCの壁にリシン吹付け。開口部は断熱木製サッシ。 木製サッシは、重厚感と気品があり、建物のグレードが格段に上がります。 外壁ALCは、工場生産の軽量コンクリートパネルで、目地が入り一つ間違えると安っぽく見えるのですが、 この建物はALC目地の位置を慎重に考え、木製サッシと組み合わせることで、ギャラリーにふさわしいファサードに仕上げました
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地域の街並みと調和のとれた外観
千川通りは、桜並木が続く緑豊かな通りです。 また廻りの建物も優しいベージュ色の建築が並び、落ち着いた通りになっています。 街並みに調和するように、外壁の色はダークブラウンとして、そこに木製サッシと木パネルをはめ込んだファサードとしました。 2,3階の木製サッシと木パネルのデザインは、内部の吹抜けのあるL字型に繫がるリビング・ダイニングや3階の個室をそのまま外観に表現したものです。 住宅のプライバシーを保ちながら、開口はできる限り大きく開け、通りの保存樹木の緑を十二分に眺められるようにしました。
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木の壁で囲まれたエントランスコート
1階の古美術店「古藤」のショーウインドウは、大きなFIXガラス。 街を歩く歩行者が明るいショーウインドウをじっくり眺められるようにしています。 人が入り易く、エントランス回りを広く開放的にする為、構造検討し、角の柱を無くしました。 腰の部分は、コンクリート化粧打放し仕上げ。腰のコンクリートは駐車スペースでの車の衝突防止や、道路に面しているための汚れ防止の意味もあります。
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屋外展示も兼ねたエントランスコート
エントランスコートは、自動車駐車場として使いますが、屋外の展示スペースとしても利用できます。 隣家に対しては植栽を施し、千川通りだけでなくこの面にも骨董店から緑が見えるようにしました。 現代アートでは、アートが建物内部に収まらず外まで飛び出してくるものもあり、よりダイナミックな展示が可能になります。
左のガラスが入った扉が骨董店「古藤」の入口。正面ガラス扉が「ギャラリーフルトウ」の入口でその横の木引き戸が住宅玄関。
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コーナーの柱を無くした解放感のあるエントランスコート
コーナー柱の無いエントランスコートを内側から見たところ。 建物は千川通りに対して大きく開き、歩いている人を呼び込みます。 道路の反対側は、保存樹木が沢山残る武蔵大学キャンパス
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骨董店とギャラリーは内部で繋がりますが、訪れた客が入り易いように道路近くに骨董店の入口を設けました。 この古藤への入口は、引き戸とし、ギャラリーへの動線上の障害にならないようにしています。
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骨董店「古藤」
定年退職されたご主人がはじめられた骨董店 外壁の木の色に合わせた造り付の収納棚が並ぶ店内。 並ぶ骨董品が美しく見えるようにダークブラウンの棚としました。 床の木は、こだわりのあるレッドチェリーの無垢材
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150インチ大スクリーンのあるギャラリー
貸しギャラリーはには150インチの3D対応スクリーンが設置されていて、上映時には天井から下がってきます。 現代アートでは、映像アートやスライドでのアートもありそれらにも充分対応できます。 またギャラリー以外に、映像を見ながらのスポーツバーのような使い方も可能です。
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防音対策が施されたギャラリー
このギャラリーでは、音楽家を招いてのコンサートや寄席、自主映画の上映も可能で、音響を考慮した防音の仕上げとしました。 壁は、隣家へ音が漏れないように2重の壁でできており、天井は吸音効果の高い仕上げとしています。 また屋外との換気システムにも消音装置を取り付けており、音には細心の注意をはらっています。 建物は、敷地の形状から奥が狭く変形した形態をしていますが、音的には反射音が拡散して良い音響ホールにもなりました。 天井高さは3m。右奥は、受付カウンター。
床は、骨董店と同じレッドチェリー無垢材。桜は、昔から床材として最も適した材とされています。 柔らかいし、ささくれないので素足にも優しいのです。このギャラリーでは、素足でのダンスパフォーマンスもできるように床に関してもこだわっています。
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住宅の玄関ホール
正面が住宅の玄関。 玄関左の扉の中は、階段下スペースを利用したシューズクロークです。 床はフルフラットで車椅子対応です。手前に住宅用エレベーターがあり、3階まで登れます。 1階ギャラリーで使用する椅子や展示机もこのエレベーターで3階の倉庫に運びます。
階段左奥のスリットは、2階の吹抜けリビングからの光を階段室に落とす為のもの。 できうる限り昼間に照明を使わないようなプランニングとしました。
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光が入り込む階段室
2階の階段踊り場から振り返ってリビングを見たところ。 正面の開口は、引き戸が入っています。開けるとこのようになり、光を階段室に落とすと共に、南からの風を階段・廊下を介して北のベッドルームへと抜けるような仕組みになっています。
閉じたり、開いたりして空間の質を変えていきます。
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ハイサイドライトのあるリビング
2階のリビングは、吹抜け空間となっていて、南からの光、千川通りの緑の景色をたっぷりと室内に取り込みます。 ハイサイドライトは、曇りガラスのFIX窓。道路反対側の武蔵大学校舎からの視線を遮り、光のみを室内に採り入れる装置です。 枠を小さくして、壁と天井の角一杯に窓を設けることで、光が天井と壁に陰を作ること無く滑らかに拡がっていきます。 このハイサイドライトにより、吹抜け空間が優しい光で満たされます。
構造は鉄骨のラーメン構造ですので、柱と梁がしっかりあるのですが、壁に凹凸を出さないで面としてこの空間をすっきりとした形でつくるため、あえて壁をふかしています。 テレビを置くためのニッチは、その壁の厚みを利用しました。
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吹抜けリビングと連続したダイニング
吹抜けに面してダイニングそしてオープンキッチンが連続したワンルームの中にあります。 吹抜けリビングに面して、3階ベッドルームには引き戸のある開口部を設け、リビングと繫がるようにしました。
ダイニングは天井を低くして、ペンダントライトをテーブル上70センチのところに下げ、落着いた雰囲気にしました。 正面の壁は、全て造り付けの収納で、木製サッシの高さにあわせて腰の部分を木で仕上げ、ダークブラウンで塗装しぐっと重心をさげるデザインとしています。 造付け収納にはニッチを設け、絵画等が飾れるようにしました。
吹抜けにより解放感のあるリビングと、高さを抑えて落ち着きのあるダイニング。どちらも楽しい空間です。
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風が抜ける2階リビング
吹抜けリビングの階段側です。 階段は、壁で囲まれていますが、開口とスリットから光が階段室に注がれます。 3階の大きな開口は、階段と廊下です。光は、天井を伝わって奥へと拡がります。 この開口の奥は、3階ルーフバルコニーに繫がっていて風が上昇気流と共に流れていきます。
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開放的な間仕切りプラン
千川通りの桜並木と武蔵大学の保存樹林を借景に取り込んだ木製サッシ。 天井高さは、2250mm。木製サッシを天井一杯まで取り付けることで、天井高さは全く気になりません。
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IKEAを用いたオープンキッチン
キッチンは、コストパフォーマンスからIKEAキッチンを用いました。 組み合わせをしっかりすれば使いやすいキッチンです。
リビングからは造り付キッチンカウンターによって手元が見えないように工夫しています。
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陰影を感じる3階階段室
3階まで階段を上り、吹抜けリビングを見たところ。 ハイサイドライトの光が天井をはってきます。 手摺の腰部分は、本棚として利用。 壁による空間の構成が、全体をスキッと見せます。
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吹抜けリビングを3階から見る
階段室から見下げたリビング。 千川通りの緑が飛び込んできます。
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吹抜けに面するベッドルーム
リビングの吹抜けに面するベッドルームです。 右の引き戸を開けると、吹抜けリビングとつながります。 奥はウォークインクローゼット
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借景のあるベッドルーム
敷地の西北側には神社があり、ベッドルームから見ることができます。 その景色を借景に開口部を設けました。 窓際にはデスクを置き、書斎として使います。 ここにもIKEAの本棚を設置しました
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ネコちゃんトイレ
クライアントにはネコの家族がいます。 2階のトイレにはそのネコちゃん用トイレスペースもカウンター下に用意しました。
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ネコちゃん扉
扉は、ほとんどが引き戸で、ネコの移動するところには出入口も設置