鎌倉山をのぞむ中庭のある家

鎌倉山の景色を取り込みながら、建物内にも中庭をもつ、いつも身近に自然を感じられる家の提案です。

外の景色や緑から四季を感じながら過ごせる30畳を超える大きなリビング・ダイニングとオープンなキッチン。白洲次郎が過ごした武相荘のような和を感じる佇まいと、本に囲まれて過ごす落ち着きのある書斎。 ダイニングと洗面、お風呂、トイレ、そして洗濯するスペースと物干し場がつながる主婦にとって動きやすいレイアウト。 子供がこもらず、その気配が感じられる子供部屋。海外との取引が昼夜関係なくできる余裕のある書斎兼仕事部屋。 いつも綺麗に整っている玄関。そのようなリクエストに答えた提案です。

外壁は左官による塗り壁仕上げ、玄関の庇には瓦を使い、鎌倉の近隣環境に溶け込む外観としました。

瓦屋根の庇が架かる門の引き戸を開けると、中庭が現れます。 中庭には季節が感じられる花の咲く落葉樹が植えられます。 中庭の壁は緩くカーブがかかり、住人や訪問者を優しく包み込みます。

中庭を囲む半外部のアプローチは、外と内とを緩やかに繋ぐ場で、気分をかえる装置です。 コーナーの壁にはベンチを設け、中庭を見て寛いだり、荷物の一時置場としても役立ちます。 左の玄関扉の脇には大きな花瓶を置き、天井からは骨董品の和風照明を吊るします。

玄関を入った正面には和室があり、正面の腰窓からは植木が姿を現します。 風と視線が抜け、拡がりが感じられる玄関です。 玄関脇はシューズインクロークで、靴やジャケット、コートを収納でき、玄関はいつも綺麗に保てます。 階段下も利用した十分なストックスペースを確保しました。

和室は、子供の遊び場や、ゲスト寝室、着替えスペースとして多機能に利用できます。 和室の隣には家族全員のドレッシングルームがあり、外出時や帰宅時にここですぐに着替えができます。

階段を上がると、2階は勾配屋根をそのまま天井に表した大きなLDKが拡がります。 奥には広縁スペースがあり、その右奥には本棚と、 書斎に繋がる引き扉が見えます。 右のテレビ台の奥が階段スペース。その階段の分、拡がりが感じられます。 ダイニング壁の上部には大きな開口を設け、ここからダイニングに明るい光りが注がれます。

中庭に面した広縁の窓には腰掛けを設け、中庭の樹木や鎌倉山を眺めながら読書を楽しめます。 この広縁スペースの低い天井は網代天井で、床は柔らかい国産杉のフローリング

広縁奥の書斎
書斎は掘りごたつ形式とし、一枚板の机を設け、低い窓からは鎌倉山が見えるように配慮しています。 屋根勾配を利用し、天井をあえて低く抑え、床に座って落着いて執筆ができる書斎になりました。

2階は、キッチンと洗面、浴室、トイレそして洗濯や室内物干しができるユーティリティー、 更に物干しデッキと一直線に配置。 広めのユーティリティーには洗濯機、室内物干し、アイロン台を設け、主婦にとって無駄のない作業動線を実現しています。

まだ小さい子供の部屋は、リビングつながりとしながらも、階段を挟むことで音やプライバシーを確保しました。

東にあるダイニングには屋根の段差を利用したハイサイドライトからの間接光が入り込み、明るい作業スペースを創り出します。

光を感じ、風が通り抜け、エコでありながら居心地の良さと機能性を追求した住宅プロジェクトです。