建築家菊竹清訓が設計した黒石ほるぷ子供館(3) 大きな屋根を支える棟持柱
建物正面の大きな半外部空間
屋根が半外部空間を覆い、天候に関係なく子供達が遊べるスペースを提供しています。
その大きくはね出した屋根をどのように支えているか。
まずは、屋根の頂部を横に走る棟木を支える丸柱がドーンと建物の真ん中にそびえています。
伊勢神宮の棟持柱を連想させる構造
丸い棟持柱の足元
そこから屋根の桁に向かって等ピッチで登り梁が走ります。
その登り梁を桁梁が受けて、さらにその桁張りを柱で受けます。
この桁梁が持ち出して屋根を支えます。
通常は、登り梁の通りに柱は置きますが、登り梁のピッチからずらして柱が建っています。
そのため、桁梁を補強してわざわざ柱を通りからずらしています。
そのまま登り梁の通りに柱を落とすと、その分下のベンチスペースが狭くなります。なるほどと唸らせる技を見た感じ。
軒のはね出しも大きい。
反対側のはね出し部分
集成材の登り梁はそのまま室内にも表現されながら続いていきます。
登り梁と登り梁の間にガラスが入り、室内に光をもたらせます。
室内から見た、ハイサイドライトの部分
室内は、断熱材が天井に入るため、天井内の厚みがでますが、外部は断熱不要の為、天井の厚みが変わります。
その厚みの差をガラスが入る水平部で吸収。非常に綺麗に上手く納まっています。
外から、ロフト部分を見る。
美しさの元は構造美でした。