ジェフリー・バワ ベントタビーチホテル(2)ヒューマンスケールのさりげないホテルフロント

ベントタビーチホテルの階段を上から見たところです。 右が水盤、天井の際色豊かな装飾、石の壁、そしてチークの床 どれも人の手の痕跡が残る仕上げで、とても品があり、落ち着きます。 石の壁に木の階段なんですが、石が自然石を貼ったものなので、石と木との接点の取り合いが設計上はかなり悩むところです。この階段の答えは、木と自然石の間に磨いた石を入れ込み、非常にさりげなくしかも上手に納めています。 フットライトもいつも悩みますが、この階段の答えはこんな感じ。アッパーライトとすることで、自然石の凹凸に光があたり、雰囲気を醸し出します。夜に見てみたいものです。 物と物がぶつかるところが、設計者のデザイン力が試されるところでもあります。さすがに美しい納まりです。 自然石の積み方もきれい。一番上の笠木という部分は、大きな石を並べています。 屋根は切妻ですが、天井は軒先部分が水盤の方に向かって下がっていきます。 光が水に反射して、その反射した光が天井の色彩をより鮮明にします。 これがフロント。とても控えめですが、木の造作家具や椅子が見事にデザインされ、この空間にマッチしています。水盤と天井を引き立たせる脇役ですが、とても落ち着いていて好きですね。 フロント前に置かれているのは、このように椅子にも使えますし、カバン置きにも使えるという優れたデザイン。派手な吹抜けとかどうだ!といった空間の仕掛けはありませんが、本当に良く考えられたアプローチとフロント廻りだと思いました。