前川國男 弘前市民会館 囲まれた落ち着きのある吹抜けホール

さて、まずは管理棟へ向かいます。 このエントランスポーチは天井が低いのですが、両側が抜けていてなかなか気持ち良い。 ヒューマンスケール。この低く抑えられた導入部が次の感動を呼び起こします。 管理棟は、いくつかの会議室、事務室、そして中二階のカフェで構成されていますが、その中心となるのが吹抜けホール そこまでは玄関から入って低い天井が続きます。天井はブルーで着色。袖のコンクリートの壁は赤色。華やかで良いじゃないですか。 正面に階段が見えます。 更に進みますと、吹抜けホールに出ます。2階吹抜けなので、それほどの高さはないのですが、最初天井が低く抑えられているので、ワッと視界が拡がり、数値以上の拡がりを感じます。 この吹抜けホールの最大のモニュメントは階段の手すりでしょうか。このごつく力強さは前川ワールド。 吹抜けを中心として会議室が取り囲みます。天井は夜空を表す濃いブルー 大きな開口部からは弘前城公園の緑が見えます。そしてステンドガラス。 天井のダウンライトは星のように暗い天井に点在して輝いています。 右の奥がカフェ 2階の廻廊。 ただ廻廊を廻すのではなく、数段下がったところにカフェを設け、レベルを変えることで空間に流れを創り出しています。歩いていても何だか楽しい。 中2階に設けられたカフェ。このカフェからそのままエントランスポーチ屋上に続いていてそのままホールへと繋がります。 ホールや管理棟のレベルを実に検討して成立しているプラン。見事です。 管理棟のプランはこんな感じ。掘りの深い外観を成立させている外皮の複雑なデザインの中に、シンプルな吹抜けホールがビシッと納まっています。 優れた建築は、平面図も実はシンプルで綺麗なんです。