前川國男 弘前市民会館 重厚で存在感のあるコンクリートの階段

階段を見れば、設計者の好みやデザインの基がわかります。弘前市民会館の階段はコンクリート。でも正面から見ると、向こうが透けているので、野暮ったさは微塵もかんじません。重厚感があり、その存在感があればこそこの吹抜けホールがグッと締まるわけです。手すりも半端なく太い。どこを握ればよいかちょっとためらいますが、そのゴツさがまた魅力です。 今、このような手すりはあまり見かけません。彫刻的な手すり。 スリット状に抜けているので、階段が一つの塊ではなくてパーツの集合体として見えます。 光が抜けるので暗くありません。踊場を支えている柱もデザインされています。 彫刻的な手すり そしてこのホールにはもう一つ彫刻が。このコーナーを作る椅子はコンクリート製。吹抜けホールの休憩する領域をしっかり創り出しています。存在感抜群。