遠藤新 藤沢旧近藤邸 コーナーの開口部をデザインする

部屋の角。コーナー部分に開口部を設けることで、内部から外部を見たとき、視界が大きく開かれるので、 部屋事態の拡がりを感じることができます。 2つの壁につくサッシを例えば片側サッシを出窓タイプとすれば、より懐が大きくなり、更に部屋が広く感じます。 そのサッシをただ引違サッシを合わせるというような設計をしないで、サッシの枠を上手くデザインすることで、 より主張するコーナーを創り出せます。 藤沢に移築保存されている、遠藤新設計の旧近藤邸にもそのようなデザインが沢山盛り込まれていました。 こちらは、2階へと上がる階段です。 2階は、廊下と和室。 廊下から屋上を見ます。水平方向に伸びていく屋根。右は、そのテラスに出る扉。サッシは引違窓です。 廊下と和室をつなぐ開口部 格子の入った引き戸。書斎机が造りこまれた引違窓。そしてコーナーの引違窓。 3つの要素がまとまれた、見事なデザイン。床は畳ですから、和室と言えば和室ですが。 サッシ上の横枠から上の壁と天井は仕上げを同一にしてあるので、室内にいると囲まれた感じがします。 角コーナーは、ひとつ頭が出た、大きなサッシです。 さらに、ダークブラウンの建具とつながっていきます。 そして、またコーナーのサッシ。 出窓の下にベンチを設けることで、ひとつの場をコーナー部分に創り出します。 こちらは、開口部の高さを抑えて、長押ラインを通しています。 ベンチのあるサッシ さらに廻ると、出窓があります。 この出窓部分は、出窓下端が高い。そして、出窓内部の天井が高くなっていて、不思議な空間です。 見事なまとまりのある2階和室でした。 さて、こちらは1階の和室。 庭に向かってこちらも大きなコーナーサッシで構成されています。 こちらは、片方が出窓タイプ。もう片方は壁と同一面ですが、カウンターが造り付されています。 コーナー部分が美しい納まり 和室の入口部分です。