旧山口萬吉邸 「舘鼻則孝と香の日本文化」を見る

九段下の靖国神社の裏手にある鬱蒼とした樹木に覆われる敷地に、築91年の旧山口萬吉邸はあります。 この建物のリニューアルが完成し、日曜日までの3日間アーチスト舘鼻則孝の作品展が行われています。 まずは、九段下駅から歩いていくと、ベージュ色の塀が見え、そ向こうに楠の大木が姿を現します。 塀を回り込んだところが、玄関の門。 右には小さな小窓も付いた、かなり大きな威厳が漂う門が現れます。 中に入ると、正面に柱のあるしっかりとした庇が見えて、そこが玄関。 比較的あっさりとしたスパニッシュの建物は綺麗に修復されています。 建物の設計には早稲田の蒼々たるメンバーが携わっています。東京タワーの設計で有名な構造の大家内藤多仲、木子七郎、そしてまだ助手だった今井兼次。しっかりとしたコンクリートの壁式構造で、耐震も考慮されていました。 規模は地下1階、地上3階延べ257坪の邸宅。 開口部廻りのアーチが優しさを表します。なかなか趣のある扉廻りのディテール そして玄関です。 この3日間は、アーチスト舘鼻則孝の作品とお香がたかれた空間を楽しむことができます。 こちらは地下に置かれた舘鼻則孝の作品。 香りの日本文化を「RETHINK]として製作した作品には「源氏香の図」と呼ばれる図形的文様がモチーフとなっています。 漆や金箔という日本の伝統的芸術を現代にまでつなげるように考えられた作品が並びます。