世田谷成城猪俣邸
2013年3月以来の猪俣邸訪問。コロナでなかなか見学する気持ちになれませんでしたが、そろそろ動き出そうと思います。
猪俣邸は、現代数寄屋建築の先駆者である吉田五十八の設計
以前訪問したのはまだ寒い冬の終わりでしたが、今日は暑いぐらいの天候でした。
名建築は何度訪問しても学ぶところが多いです。
訪問の目的は大きなリビングと屋根、庇の関係を確かめるため。
今計画中の建物は、和を活かした家で、庭に対して大きく庇を伸ばしたいと思っています。
どのぐらい庇を伸ばしたら、室内から見てどう見えるのか等、体感しにいきました。
いつも良いなと思える玄関。豪邸なのにこの玄関。素晴らしい。
小さな扉から入ると、別世界が拡がります。
正面には建物の一部が塀のような役目をして、自然と右の方向へ人を導きます。
右に展開
そして玄関へ。いつ来てもこのアプローチは良いですね。
玄関から廊下を見る。この折れ曲がった廊下(ホールから茶室への廊下)がエントランス廻りを豊かな空間に作り上げています。
さて、ホールからいきなり入ると大きな居間が迎えてくれます。
しかも庭に対して開けた大開口。扉がすべて引き込まれているので、余計なものは一切みえません。
苔がきらきら輝いています。本当に美しい手入れが行き届いた庭
居間の奥は食堂。居間に対して食堂は小さいです。
大きな屋根を架けていますが、外から見て威圧感のないようにするため、中庭を所々設けて分節して、スケールを調整しています。
食堂から庭を見る。緑が本当に綺麗。
この中庭は、採光、通風にも役立ちます。
庭から見たリビング。左奥が食堂。右が中庭。
そして、庭に対して大きくはね出した庇。
半間に梁と柱を入れ、さらに1200mmほどはね出しています。
目線が庇先端で切られるので、全てが庭に注がれます。
建具の数が半端ないです。見事に納まっています。
先には茶室。離れのように見えますが、廊下でつながっています。
連続していく庇が美しい。考え抜かれています。