軽井沢 原辰雄山荘(2) 素朴な素材の集積が魅力的な山荘
軽井沢高原文庫の敷地内に移築・保存されている原辰雄の山荘。その素朴でありながらも、廻りの環境と調和した佇まいは、山荘のあり方を教えてくれます。
外から気持ち良い半屋外のテラスに入り、そこから扉を開けて内部のリビングに直接入ります。
外・半外部・内の連続性をこうすれば、いつも体感できますよね。別荘ですし、あえて玄関を設けなくてもいつも外とつながることができるし気持ち良い。
中に入ると石が積まれた暖炉が目に留まります。
そして、壁面にはこの当時ではかなり珍しい造り付の壁面一杯の収納。
天井は構造材がそのまま表れたもので、隣の部屋とも天井はつながっていきます。
壁が天井まで立ち上がっていないので、とても拡がりを感じることができます。
部屋の平面的な面積は小さくても、天井裏をつながって見えるようにすれば、視覚的圧迫感がなく、開放的ですよね。参考になります。
構造の垂木は、加工をほどこさない丸太。野地板も杉材の板がそのまま見えます。整然としたモジュールで日本の木造建築は建てられるので
構造自体を表しても、まったく気にならないですよね。
こちらは寝室。
このタンスも原辰雄が使っていたもので、その取っ手が面白い。そのへんで拾ってきた木片を取っ手にしたのですかね。
引出の幕板もデザインされています。
開口からは紅葉した景色が飛び込んできます。