大阪 船場ビルディング タイルの貼られた外壁。光が注ぐ中庭を持つオフィス
中庭は、今私が一番好きなテーマなんです。都市住宅においては中庭ほど自然を感じ、内部と外部を上手くつなぎ合わせる仕掛けはなかなかありません。これは住宅に限らず、働く場や人が集まるところも同じことが言えます。大阪にある船場ビルディングもそんな素敵な中庭を持つオフィスです。外観はスクラッチタイル張りの柱型とその間の壁に開口部を設けたセセッション風のもの。建物は大正14年に出来、平成10年に綺麗に改修されました。登録有形文化財
さりげない正面玄関が良いです。
中に入りますと、対称形の中に中庭が見え、ちょっとした感動をおぼえます。
両側の壁にはテナントさんの郵便受け。
床は中庭に向かってゆっくりと上がるスロープ。床材はなんと木煉瓦。木を煉瓦のように隙間なく並べたもので年期が入ってます。この建物ができた時はオフィスと住宅だったそうで、トラックや荷馬車を通りからそのままこの中庭に導きいれるようにスロープになっているとのこと。
中庭といってもいろいろありますが、ここは天井の無い完全な外部空間で、各テナントに行くには、この外部に開放された廊下を通っていきます。仕事の休憩にちょっと廊下にでるだけで、美しい中庭を見ながら自然の風や光にあたり気分転換ができますよね。スケールも丁度ヒューマンスケールで住宅の延長的な感じ。これがまた落ち着きをもたらします。
柔らかい光が木煉瓦床に落ちて、とても落ち着く中庭空間です。