村野藤吾 輸出繊維会館 テントのような軽い玄関庇
シンプルな外観を持つ輸出繊維会館ですが、2つの出入り口がありその一つのホール側玄関にはいかにも村野さんらしいデザインの庇が付いています。無機質なモダニズム建築を思わせる外観に有機的な動きのある庇。全体からすると小さな部分ではありますが、この庇によって建物が引き立って見えますし、これが単なるオフィスビルの入り口ではないことがわかります。
金属でできたテントのような軽快感のある庇です。庇を支える細い柱。テントや亀の甲羅を意識させる屋根の構造形式。庇が受ける雨水を逃す樋。防犯を考慮した引き込み式のシャッター。そしてガラスドアに付く手すりデザイン。1960年ですから、検討も図面と模型で行っていたわけで、いかにこの庇デザインに頭を悩ましたことでしょう。
ガラスの脇にシャッターが入っていきます。
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