もしも建築が話せたら ルイスカーン ソーク研究所 静かに語る建築
渋谷のアップリンクで上映中のオムニバス・ドキュメンタリー「もしも建物が話せたら」を見ました。ヴェンダース、レッドフォードを含む6人の監督がそれぞれに想いを抱く建築に焦点をあて、その建物ができた背景、建築家の想い、街に対する影響と反響、そこで働き、住む人達のあり様等深い視点から見詰め結集した映像と音楽です。建築は単なる物ではなく、人の心を動かすエネルギーであり、いろいろな人のその時の感情、想いを蓄積しているものでもあります。そんな事を改めて認識できる映画でした。
取り上げられた建築は、ベルリンフィルハーモニーコンサートホール・ロシア国立図書館・ハンデン刑務所・ソーク研究所・オスロオペラハウス・ポンピドーセンターの6建物。そのどれもが素晴らしい生きる建築です。
この中で、ソーク研究所、ポンピドーセンターは行ったことがありますが、ベルリンフィルはまだ。ベルリンフィルの映画では、その建築的空間、観客と演奏者が一体となったホール、美しい有機的な階段で構成されるホワイエ等臨場感のある映像であたかもそこに身を置いたような気分になり感動しました。是非行ってみたい建築の一つです。
ソーク研究者の映画ではソーク博士と建築家ルイスカーンとのやりとり、カーンの建築に対する肉声を聞くことができ、改めてソーク研究所のすばらしさを実感できました。本当に静かな建築です。自然の光や風を浴び、研究者達が自らの研究に没頭できる空間。建物が環境を作る。その好例です。