建築家山田守の自邸公開 庭を囲い込むプランと、薄い庇が空中に跳ね出す軽快な外観
建築家山田守の没後50年企画として、青山にある山田守自邸が公開されています。ピロティーで持ち上げられており、細いスラブと庇、空中に跳ね出す軽快な庇や、丸い階段、庭に開いた大開口サッシ、120度の角度で振られた庭を取り囲むプラン、細さを追求したディテールなど、今でも多くを学び摂ることができる名建築だと思いました。内部も外部も優しい曲面が生きており、山田守の性格がそのまま表現されているのではないでしょうか。4月23日まで一般に公開されています。
頂いたパンフレットから。
このような大開口サッシで、庭の緑を室内に思いっきり取り込みます。
手前が10帖と8帖の和室で天井高さ2400mm。その先に広い広縁があり、その高さは、2600mm縲怩ネので、手前の和室の雲形が入る欄間を額縁に1枚の絵のように庭が見えます。
この建築は、事務所と住宅として考えられ、2階の庭が見えるフロアーと3階一部が住宅。1階と3階が事務所として使われていたようです。丸い階段は、住宅と事務所の共有の階段で、2階の住居から3階の住居へは、別の内階段があります。
これが、外観
とにかく白いボリュームの建物に、大きく飛び出した細いひさしが目につきます。そして、白い壁にはなたれたコーナーサッシも外観を決めている要素
庭を囲い込むように120度振れた外観
北側は、斜面で登っていきます。なるほど、ピロティーで持ち上げたのは、敷地条件もあるのですね。
玄関アプローチ
向かって左側の擁壁もカーブを描き、人を導きいれてます。
外観に特徴を与える丸い螺旋階段。その左が入り口です。
コーナーも丸い。庇も先端は丸い
コンクリート造の建物
仕上げは、職人の痕跡がのこるような塗装仕上げ。
全てに味わい深い建物でした。是非この機会に見られたら良いのでは。