大隈記念館 建築家今井兼次の世界 ゲーテアヌムを倣った彫刻のような建築
早稲田大学創設者、大隈重信の生家の隣に建てられた大隈重信記念館
佐賀城から歩くこと数分の静かな住宅街にあります。
この彫刻のような建築が大隈記念館。
この建築の設計は、早稲田の教授であった今井兼次です。
実は、この建物にはモデルとなった建物があります。
それがこの建物
スイスベルンにあるゲーテアヌム
設計はドイツの思想家ルドルフ・シュタイナー
歴史から放たれた自由な思想をそのまま建築へと昇華させたもので、内部には1000席の講堂を持ちます。
内部空間から考え、外部に至ったというこの建築。シュタイナーの想いがすべて詰まったこの建築を見た今井兼次は感動し、感化されたといいます。
当時としてはまだ珍しかったコンクリートをその特性を生かして、全面的に用いた画期的な建築でもあります。
設計は、
今井兼次は、この大隈記念館をそのゲーテアヌムに倣い、設計をしました。
この流れるような玄関部分の造形
コンクリートだからできる技です。今のように3DのCADなどないわけですから、この形を考えるのも凄いですが
こうやって実現させた工事の関係者も凄い。
パティオのある、庭に面した側の外観
この足元なんか、どうやって造ったのか知りたいものです。
どっしりした形態は、大隈重信公の人間の大きさを表したもの
このような建築は最近は全く見られません。
建築の深さが教えられる建築。
窓回りの造形
今井兼次の言葉