奈良 国宝室生寺金堂 平安時代の和様建築 寄棟と片流れの屋根が合わさった魅力的な建築
奈良の室生寺です。
まず、目に飛び込んできたのは、仁王門
仁王様の間が門になっています。屋根の軒の出が大きい。この軒が出ることで、絶妙な美しいプロポーションになっています。
その仁王門をくぐり、結界の中へ。
空気が澄んでいます。
石の階段を登ると、その先には屋根が。
これが国宝室生寺金堂。
まずは、その佇まいに心が奪われます。
太い柱が、建物を支えます。しかも敷地は勾配があり、石塀により段差をうまく処理しながら、その上に浮いているがごとく建てられています。
はね出した部分は、懸造りと呼ばれる山岳地帯でよく使われた工法。
上の奥の方が、正堂で、平安時代に建てられた寄棟造り。そして手前の縁がぐるりと廻り、その上に付け加えられた片流れの屋根の部分が礼堂と呼ばれる部分です。
奥の正堂が平安時代。手前の礼堂は、江戸時代に造られました。
横から見ると、寄棟の屋根と片流れの屋根がどうなってるのかわかります。上手く屋根を足してますね。
この寄棟の対称的な建築に、片流れを足して、対称を崩したところが面白いです。
石垣を用いた、礼堂の部分。屋根の難しい取り合いも、美しく納まっています。
正面桁行方向の堂々たる立面。太い柱が好きです。奈良の建築は、男っぽい重厚感があり、魅力的です。
正堂は、桁行5間で、梁間4間。その前の礼堂の柱は、両サイドが、柱間を1間長くして飛ばして配置されています。
平安時代には、この礼堂は無いわけで、この広場から、仏様を拝めたそうです。