赤星鉄馬邸(2) エントランスとらせん階段 アールのコンクリートらせん階段を造った大工さんの驚く技術
内部へと入ります。
玄関の扉は2重になっていて、外部に外開きの網戸。内部は内開きの木製ドア。
人を招き入れるには内開きに限ります。勿論、雨仕舞を考慮して大きな庇の下に配置されていますが。
玄関部分
玄関入ってすぐ左にあるらせん階段
当時は、まだコンクリート造はかなり少なかったのですが、その時にこの難しい曲面の階段をコンクリートで作っているわけです。
大工さんの技術力の高さが見えます。
2階の踊り場
曲面の壁に放たれたスリット開口で、階段室は非常に明るい
コンクリートの腰壁と木の手すりの取り合い
上からの見下ろし
1階の階段裏にもスリットが切ってあるので、暗いところがありません。
階段ディテール
階段ディテール2
この階段ですが、2階から降りてきて1階のところで、コンクリートの壁からずれて、独立した階段になります。
壁から離れていくところ
そして向きを変えて1階へ。
こうすることで視線は、正面の壁ではなく、廊下とその先の左にあるリビングの方へ向けられます。
2階はプライベートな個室となっているので、2階から降りてきて、1階のパブリックなスペースへと自然に視線や身体が向くように配慮されているわけです。
右は玄関
1階の廊下。
左がリビング。そして右には中庭。
廊下の先にはもう一つの階段が見えます。階段の先はプライベートスペース。
建物を曲げることで、視線が上に抜けていく階段に行き、さらにプライベートスペースを隠すという意味が生まれてきます。
2階へ上がる階段の途中から1階を見下ろしたところ。このように廊下がクランクしていきます。
廊下のアールの壁が優しい
2階へ上がる階段
手摺のディテール