貝の殿堂 海のギャラリー 光の階段をのぼる
1階の海の底から、光が注ぎ込む2階へあがる階段。丁度光が注ぎ込み、海の中から海面に向かうような感覚です。光の階段。
2階にあがりますと、三角屋根の構造がそのまま室内空間となっている展示空間に出ます。トップライトの軸の直線がそのまま生かされた空間。
構造美がそのまま生かされた建物で、しかもそれがとてもシンプル。その中に人を魅了する空間が出現しています。そういえば、建築家の巨匠ルイス・カーン設計の金ベル美術館も形はいたってシンプルで、光が空間を支配する建物でしたが、この海の博物館も共通な感じがしました。
階段の見返し
そして宙に浮く貝の展示ケース。
細い柱で、展示ケースが持ち上げられ、上からも横からも光が1階に注ぎ込まれます。
再び1階に戻りまして、中央の展示空間の両側の側廊にある展示室と休憩所
2階では点灯されていませんでしたが、丸い照明も林雅子のデザイン。強い鋭角の建物の中で、この優しい丸い照明は、厳しい印象を和らげるのにとても効果的です。2階も壁面にずっと並んでいました。点灯させるとまた雰囲気ががらっと変わるのが想像できます。
更に、大きな庇屋根で覆われたデッキテラスまであります。
貝と会話した後で、そとの空気を充分に味わえる気持ちが切り替わる外部空間
昭和天皇も訪問されたそうです。
とてもシンプルですが、その中に込められた想いは、相当なもので、内部はとても豊かな空間で占められていました。
建築家林雅子の渾身の力作だと思います。