山邑邸(1)
フランクロイドライト設計の山邑邸(現ヨドコウ迎賓館)を見てきました。兵庫県芦屋市の山の手に設計された山邑邸は、六甲の山々を背後に瀬戸内の海を正面に取り込んだ素晴らしい立地に建ちます。土地の高低差を上手く利用し変化に富んだ空間が展開します。まず門を入るとなだらかなスロープに導かれ、右手の崖の上に建物を見上げながらエントランスへと向かいます。
ここでは、ライト特有の花鉢が迎えてくれます。土地の傾斜に合わせていくつかの水平方向のブロックが重なっています。
建物と緑をなめるようにして玄関ピロティーへと進みます。
ピロティー上部の大きな開口のある部屋は、2階の応接室です。応接室の開口部分は、ソファーが置かれ壁が外に飛び出す出窓形式です。大谷石の装飾が美しい。ピロティーの向こうには美しい緑の森が広がります。
ピロティーに入って左を見ると壁のスリットから芦屋の街と遠く海のきらめきを捉えることができます。明快な軸線を読み取れます。
ピロティーの右側が玄関です。正面の水盤を挟んで左の扉が玄関扉です。
大きな構えにしては、玄関の入り方がさりげない。
大きな空間から一度小さな門や扉をくぐり、さらに又大きな空間へと繋がっていく展開です。ピロティー天井高さは、2500。