ルイス・バラガン ギラルディー邸
道路に面したピンクの壁と、大きな縦軸回転の木製玄関扉。ここは、ルイスバラガンが晩年設計したギラルディー邸です。
こちらも残念ながら写真撮影は外部と中庭のみということでした。
中庭には見事なジャカランダの木があります。この木は色彩豊かなピンク色の花をさかせます。この見事な木があるということからバラガンが設計を引き受けたとも言われています。
壁の色は決定するにあたり何度も塗り替えられ、心から納得した時点で決定が下されました。外部の色としては、派手な色ですがメキシコの風土にてらした色で、ジャカランタの色でもあるのです。
玄関を入ると上部から光が注ぐ階段吹抜けホールに出、そこから扉を開けて
黄金の光が射す廊下を通ります。
バラガンの住宅は、まず暗い落着いた全室があり、そこから天井の高い明るいホールに出て、また次の扉を開けると色彩豊かな別世界の空間へと我々を導きます。扉を開ける度に、「ワオー」という言葉が無意識のうちに出てしまうのです。
この黄金の廊下の向こうにある扉を開けると、赤、青の壁と薄グリーンの水盤で構成されたプールのあるダイニングに出ます。
光は2方向のハイサイドライトから射してきます。光は青い壁に当たりくり抜かれた部分が青い空間となり、そこに赤い独立した壁が水の上に浮くかのごとく存在します。プールは内部照明で照らされ、水が緑色にひかり、幻想的な空間となっています。
このプール付きダイニングにも中庭と繋がる大きな開口部があり、内・外の連続性はやはり非常に重要視されています。高い厚い壁によって街の喧騒からは遮断されていますが、内部にも大きな庭が存在し、静寂の中で自然(空や風)を感じることができます。