安藤忠雄 フォートワース現代美術館(2)

ルイスカーンのキンベル美術館が、内へと意識を向ける空間に対して、フォートファース現代美術館は、大きな室内展示空間は別にして、外へと意識を向け外部との繋がりを重視した空間といえます。 展示を見て行くと、突き当たりに外光が入るニッチがあり、そこまで行くと 外を感じる展示室に繋がります。 ここで視界は大きく静かな池へと拡がり、空気が変わります。 池を見ながら置かれた美術品を鑑賞しつつ、次の展示室へと導かれて行きます。 3つの同じボリュームのガラス展示室が並んでいて、そこを廻りながら内部と半外部空間を体感していきます。 ルイスカーンの厳格なキンベルを何度も訪れその厳格さを会得しながらこの現代美術館を設計したそうですが、確かに空間の室は違うものの、共通した思想があるように感じました。 シンプルな形態の中に様々な場が創り出されており、安藤建築の優れた作品となっています。