彫刻家 エル・アナツイのアフリカ 展
神奈川県立近代美術館・葉山で27日まで開催中の展覧会を見てきました。
作家は、アフリカナイジェリアで活動中の彫刻家エル・アナツイです。
アフリカの伝統を現代アートとして新たに表現した作品、木を掘り、焼きアフリカの抱える問題や現代の矛盾を訴えた作品など多数ですが、近年の廃材を用いたタペストリーは圧巻です。
ワイン工場やビール工場などから出た瓶のキャップや缶詰のふた、シール等の廃材を銅線で繋いで縫い上げた巨大なタペストリーは、膨大な作業時間もさることながらその美しさに感動をおぼえました。
廃材が芸術品にチェンジすることがとても面白いと思いますし、その素材の持つ美しさをあらためて認知させてくれるのです。何にもましてパワーを感じるのです。
ビデオでアナツイは言っていますが、廃材には精神的なものを感じる。廃材は多くの人が触れていて、その手の力(パワー)がそこに残っているからだそうです。タペストリーも20人の助手によって作られ編まれていきます。そこにも人と人を繋げるというコンセプトがこめられており、感動を呼ぶ要素が入るのです。
建築も人の手で作り上げる物であり、多くの携わる人の気持ち、エネルギーが練りこまれていきます。設計から施工にいたるその建築に関る人が最大限に持ちうる力を注げば、人を感動させる建築はできるのです。そこに妥協はありません。
是非時間があれば見に行かれることをお薦めします。