ル・コルビジェ マルセイユ ユニテ・ダビタシオン(4)
いよいよ住戸の中に入ります。
ここは、玄関が1層目にあって、吹抜けを介して2階のベッドルームへと繋がるタイプです。
手前が吹抜け空間で、下がダイニングとキッチンになっていて右の扉が玄関に繋がる扉
玄関から入ると、バッと全面開口の吹抜けリビングが目に飛び込んでくるのです。
間口寸法は、3700mmで、ダイニング天井高さは2350mm、吹抜け天井高さ約4900mmというボリューム。寸法だけ見るとコンパクトですが、充分な解放感を味わえ、気持ちが良いのです。
海外はくつを履いての生活ですので、身長も考えると日本での天井高さは、2200縲鰀2250mmあれば開口の工夫次第で充分なのです。
開口は、木製のサッシで、上は、はめごろし。途中にバルコニー側にスラブが跳ねだしていて、日よけの役割をしています。
下のサッシは、折れ戸で、両側を開けると全部がオープンになり外のバルコニーと一体になる仕組み。
更に、開口部の下には設備の空調があり、冬はバタンと回転させれば温風が吹き出すという、これまた優れた納まりです。
今でも充分機能し、すみやすい住まいなのです。
建築デザインにおいて、開口部のサッシは非常に重要な要素です。このデザインと機能の整合性にいつも多大なエネルギーを使います。