代沢の家-1 旗竿敷地に建つ家族の集う家
新しい家が完成しましたので、このブログを通して紹介すると共に、いろいろ振り返りながら自分なりに考察していきたいと思います。
まず、建物にとって最も重要なのが敷地条件。道路はどの方位にあるのか、隣家との関係は、緑や視界の拡がりはどうか、敷地に高低差があるのか、風の向きはどうか等々、考えられる要素を全てまとめながら設計はスタートします。
今回のお宅は、旗竿敷地と呼ばれる敷地で道路から奥に2.5m程度の通路状の敷地が伸びて、奥にまとまった空間があるような敷地でした。しかも昔からの住宅街で、奥の敷地は4方全てが隣家に囲まれています。
手前から長い通路状を経て、奥にひろがる敷地
みんな結構ぎりぎりに隣家が迫っていました。
この場合、手前の路地状ぶぶんはアプローチと駐車スペースになり、奥に住宅を建てるプランとなります。第1種住居専用地域ですので建蔽率も厳しく、手前の路地状部には建物を建てるだけの幅も余裕もありませんでした。
いくつかのスタディーを行い、残った2つの案の模型
A案
子供が2人とご夫婦の4人家族で、要望の部屋はリビング・ダイニング・キッチン・ベッドルームと子供部屋。それにご両親が遊びにみえた時に泊まれる和室です。A案では、プライベートなベッドルームと子供部屋を1階とし、2階がリビング・ダイニングで3階に和室という構成にしました。このA案では2階のリビング・ダイニングをできるだけ大きなワンルームとし、3階の和室とも吹抜けを介して繫がる構成。和室は、子供達の昼間の遊び場にもなりますし、ご主人の趣味の部屋にも使え、しかも空間的に大きな1つのボリュームの中にもとめることで、拡がりを感じることができます。
階段は、エントランスから奥にあり、光が注ぐ階段を登って行きます。
B案
この案は、1階にベッドルームと和室。2階はリビング・ダイニングそして3階が子供部屋という構成で、2階のリビングとダイニングはあえて壁で別けて、2つのスペースを楽しむという案
今までの設計では、ドーンとリビング・ダイニング・キッチンを繋げて大きなワンルーム的な空間を作ってきましたが、今回は、廻りの環境を考慮し、リビングが光を感じる静なる場。ダイニングは外部に視界が開ける外との繫がりを持つ明るい場として捉えました。またまだ子供が小さいことから、家族の気配が感じられるように3階に子供部屋があるこのB案をベースで進んでいきました。