東山温泉向瀧旅館8-建築の魂は、細部に宿る
この建物の建具は素晴らしいのであります。
建築的には、外と内を結び、光、風、景色を取り入れる開口部は最も大切な部位であります。この建具の良し悪しが建築の品格を決めると考えています。今の住宅の薄っぺらさは、アルミサッシのデザインが大きく影響していると思います。勿論アルミの優れた性能とコストパフォーマンスは否定しませんが、軽く安っぽく見えるところが何ともいただけません。
ここの開口部は、実に良く考えられた配置と、デザインの良さが感じられます。手の痕跡が残る建具。
客室に設けられた丸窓。
障子を開いても、閉じても光と空気感を感じる事ができます。縁の柔らかい曲線が、暖かみを演出します。