重みと貫禄が違う古い建具

今設計で係わっている建物には、古い家具や建具を要所を選んで用いるようにしています。山形や福井などの倉やお屋敷で使われてきた倉戸や、大きな引き戸を現代建築のモダンでニュートラルな空間にズバッと入れ込む。 それによって空間は、グーンとグレードが上がります。永年愛されて使われてきたものをもう一度解体修理し、塗装もかけて使います。我々の年代ではまだ幼少時にお目にかかった事があるかもしれませんが、今の時代では新しく作ることは多くの費用を要するのは当然ですが、そもそも金物などは、今造れないものが多いのです。 まがい物ではなく、本物を使う。 そこから出る何とも言えない存在感を楽しみ、歴史を創造しながら生活する。なんて素敵なんでしょう。 木の太さやバランスが、しっかりしていて今のデザインにも充分使えます。 昨年ぐらいから、歴史ある建物を見たり、泊まったりして感じるのは、建具に込められた職人技の素晴らしさです。どうだ!と言わんばかりに迫ってきます。これからも出来る限り、今ならまだある昔の優れた建具をここぞという箇所に用いていきたいと思います。