デイビッドチッパーフィールドの建築講演会

イギリスの建築家デイビッドチッパーフィールドの講演会に行きました。イギリスの建築家でこの度優秀な芸術家を対象に贈られる高松宮殿下記念世界文化賞の受賞講演でした。 非常にモダンでミニマリズムな建築を建てている設計者の講演は、重みのある素晴らしいものでした。 建築は人々にとってなじみのあるものにすべきでる。心の記憶の中にあるものを呼びおこすようななつかしみを感じる建築を目指しているとのことです。実際に設計される建物は、斬新性というよりは、どこか安心してその空間に佇めるというか包み込むような建築が多いのですが、その根底には「なじむ」空間論のようなものがあるのだと感じました。 最後に話をした中で、昔アメリカの建築家であるルイスカーンが述べていた「その建物がどのようになりたいか」をいつも考えながら自分も設計に取り組んでいるというフレーズが印象的でした。 なぜその建物を設計する機会が自分に訪れたのかを見詰め、じっくり設計に取り組む姿勢に私も感じるものがありました。 建物には求められる機能がありますが、それと同じレベルで建物がそこに建つ目的があります。機能が優れているのは当たり前でそれプラス人を感動させ、機能を超えた人の豊かさをもたらす場を作ることが我々建築家の仕事なんだと改めて感じました。