村野藤吾 フジカワ画廊 ガラスブロックと横連窓開口による明るいオフィス 踊る階段手すり

大阪瓦町にあるフジカワ画廊のビルです。ファサードはガラス横連窓とガラスブロックからなり、両側にはベランダを配します。ガラスブロックからは光のみを採り入れ、開口部からは大きな通りを見る。内部は光に満たされたオフィスであり画廊となるわけです。 ベランダの手すりには彫刻的な装飾が施されています。 画廊の玄関扉の取っ手 残念ながら画廊は休みでしたが、ガラス越しに内部が見れました。 優しい自然光に満たされるギャラリー空間。その中には2階へと上がる軽快な螺旋階段が象徴的に置かれています。内部の家具は村野さんが設計したものが残されています。 地下のテナントと事務所に繋がる階段 何と言いましてもこの手すりデザインはさすが村野さんと言いたくなる流動的で生きているかのようなしなやかさが感じられるものでした。 小さなスペースでどうしても居室面積を多く取るため、階段はちょっと無理な納まりになりがちです。この階段も平面で見ますとかなり難しい。しかしそこに付く手すりのお蔭で、階段そのものが芸術品のように見えてきます。なぜこんなに滑らかに見えるのか。階段の段数と手摺の関係から階段が小さいとどうしても手すりを一つに繋ぐ場合、縦の部分が出てきます。この手すりには縦の部材がありません。水平か斜めで全てがまとめられています。マニアックなんですが、簡単そうに見えるこの階段手すりは実はすごい技が隠されているんです。 スチールは何とか曲げれるのですが、人の手に触る部分は木です。途中で切れることなく、一つに繋がってうねるようにできています。デザインもすごいですが、職人さんの技も凄い!