大阪御堂筋ビル・大阪センタービル 御堂筋に落ち着きをもたらすアルキャストの外壁 

大阪御堂筋は今訪れても、その広さ、街路樹の見事さが際立つ素晴らしい通りなんですが、この関西の中心道路に沿って計画される建築も皆力が入る建物ばかりでした。この大阪御堂筋ビル・大阪センタービルもその一つ。電解発色の技法を用いて、落ち着いたダークブラウンの金属色に仕上げられたアルキャストのパネル、ブラウンの熱線反射ガラスが外壁を覆います。H型の配置で2つの棟を繋ぐ部分が階段やエレベーター、水廻りのコア部分。そこはアルキャストの壁になっています。昭和44年(1969年)竣工ですから今から50年近く前にできたビルです。その落ち着いた大人のデザインは今でも十分新しさを感じます。最近の白い軽快なビルよりもずっと品格が漂う秀作だと思います。設計は竹中工務店。 御堂筋から玄関までの長く広いアプローチがこの建物の格を上げているように思います。 御堂筋に面してアートスペースもありました。これは大阪市が御堂筋を芸術・文化軸として世界に誇る彫刻ストリートとして設けたもので、御堂筋沿いの企業からの寄贈と言う形で現在29の彫刻が街区ごとに並んでいます。 イギリスの巨匠ヘンリー・ムーアの「二つに分断された人体」 御堂筋を介して反対側にある又一ビル このビルは、昭和60年竣工のビルですが、昔から御堂筋に面してあった旧大谷仏教会館の外壁の一部を残し、その上階にガラスカーテンウォールの事務所ビルを新築したものです。今では東京中央郵便局をはじめ昔の建物のファサードを残しながら新しいビルを建てる手法は珍しくありませんが、今から30年前にはすでにこの手法を用いた建築を作っていました。設計は竹中工務店。 これも御堂筋に面する御堂筋ダイビル ステンレスパネルの中に縁が丸い直方体の開口部が並ぶデザインで、やはり迫力があります。