ユベスキュラ アルヴァ・アアルト美術館 木のうねる壁とアルヴァ・アアルトデザインの椅子が並ぶコーナー
ハイサイドライトからの光は大きな壁にあたり、それが反射して間接光となってフロアーを照らします。いくつかの大きな光を受ける壁の奥の一つがこの木デザインのうねる壁。木立が風にそよぐような印象を受ける縦ラインが強調された壁です。
その木の壁のディテール
フィンランドの道路を走っていますと、白樺の木々が垂直に生え、綺麗な景色をごく普通に見ることができます。そんな日常の光景を鋭く見据えたアルヴァ・アアルトらしい有機的なデザイン。造作も細かいところまできちんとされていて、木工事の技術の高さが解ります。
これは展示パネルの一つですが、万博の時アアルト設計のフィンランド館のうねる木壁
そして、優れた造作技術を更に開発し用いたのがアルヴァ・アアルトが手掛けた椅子達です。
バウハウスのスチールの曲げた椅子を木で作る。
鉄は簡単に曲がりますが、木は基本曲がりません。それを細かな集成材とすることで、圧力をかけ、美しい曲線を持つ椅子をつくる。強度は勿論、座り心地も考慮しながら、見た目にも美しい椅子にする。それには多くの難しい道のりがあったと簡単に想像できますよね。
このアルヴァ・アアルト美術館の一番奥のスペースには、その悪戦苦闘により創り出した秀作の椅子が展示されています。
曲げの技術の展示
いくつかの椅子が置かれていて、実際に座り、その感触を確かめることができます。
また、奥にはアルヴァ・アアルトが影響を受けた建築家ル・コルビジェやルイス・カーン、フランクロイド・ライトといった建築家達のパネルもあります。
建築関係者だけではなく、芸術や建築、インテリアに興味のある人も十分楽しめる内容。あらためてアルヴァ・アアルトの築いてきた業績の偉大さを確認できるアルヴァ・アアルト美術館でした。