セイナッツァロの役場 ルーバーを持つ大きな窓 アルヴァ・アアルトの心を鎮める空間
さて、このセイナッツァロの役場の心臓部である議会場です。高い天井そして感じる暗さ。今まで見てきたアルヴァ・アアルトの建物は光を多く採り入れた明るい空間がほとんでですが、このセイナッツァロの役場の議会場は、照度をかなり控えめにし、議会が集中して催されるように配慮しています。
煉瓦の大きな壁で囲まれた議会場には採光の窓は2つ。一つは西日が入る議会正面席右の壁に開けられた窓でここには木の壁があり、間接光となっています。そしてもう一つが大きな四角い開口部。ここは北なので直接光ではありません。しかも、木製ルーバーが入っていて、細かな光となっています。
上から3段までが縦のルーバーで、下1段が横ルーバー
そして、天井は木ですが、その屋根を支える構造が面白い。梁から扇の手を出すように垂木を支えています。シンプルな構成の中に有機的な造形を盛り込んだアルヴァ・アアルトらしいデザイン
議会の議長側から後ろを見ますと、傍聴席のところが少しへこんでいて、そこにはハイサイドスリットからの光が入ります。
議会場に入る大きな開口部には引き戸が設置されています。
そして傍聴席
椅子は綺麗なカーブを描く、アルヴァ・アアルトデザインの長椅子
最初の言いました、西日を受ける木の壁。光が間接光になって入ってきます。
その先には絵画
見るところが多い、議会場でした。