ジーグルド・レヴェレンツ 聖トーマス教会 大きな目地と煉瓦タイルが同じ面になった美しい壁

さて、長々と綴ってきました北欧の建築視察レポートも今日で一旦終了します。旅の最後に見たのがこのジーグルド・レヴェレンツ設計の聖トーマス教会だったのですが、素材と形態の扱いや、動線にたいする配置など、非常に参考になる建築でした。気をてらった造形などなく、力強い彫刻的なデザインも良かったです。 この大きな外壁の煉瓦タイルの壁は、何と言いましても目地の大きさでしょう。しかも目地というかモルタルと煉瓦が同じ面で仕上がっているので、煉瓦の影はできず、大きな一つの壁として捉えることができます。建築家村野藤吾が教会や学校、ホテルでこの手法を使い設計しているので、日本でも今まで見ることができましたが、やはり細々してないのが好きですね。 大きな面でありながらも、煉瓦タイルという小さなスケールのもので構成されているので、圧迫感も感じません。 壁の一番上は、金属の水切で納めます。 壁から飛び出す樋が、平滑な壁にアクセントをもたらします。 大きな高く目立つ鐘塔はこの聖トーマス教会にはありません。鐘は、丸い曲面壁の後ろに隠されています。 決して派手さはありませんが、何年経っても人に感動と共感を与える素晴らしい建築でした。