山荘 無量塔 (1)日本の伝統とモダンの美学
湯布院を代表する旅館の一つ無量塔(MURATA)
古民家を移設して造り上げた旅館は、日本の美を体感できる素晴らしい建築でした。
今回訪問したのはこの無量塔の中に設けられたバー「タンズ・バー」
その重厚かつ日本の民家の持つ力強さに感動。ああこれが今自分が求めている建築だと気付かせてくれました。
まずは、玄関から
照明の明かりが、客を誘います。
大きな屋根なんですが、廻りの木々が大きく、その威圧感は全く感じません。
ただ、入口とそこに掛けられたのれん「無量塔」の文字が印象に残ります。
シンプルな入口。脇に積まれたマキ。かぼちゃの花瓶とお花。そして。大きくはね出した瓦の庇が迎えてくれます。
のれんをくぐり引き戸を開けて入ると、暗い空間の中に、日本的な民家の世界が拡がります。
こちらは、玄関脇のレセプションスペース
窓から見える緑も考えられています。
置かれた家具や照明も空間にピッタリ。コーナーには暖炉、出窓空間のようなソファースペースと窓の取合い。
太く、自然のままの梁も良いですよね。
重心の低い落ち着くスペースです。
少し進んで、玄関ドア方向を見返したところ
一段下がったところにも、小さな談話スペースがあります。
小窓と盆栽
壁の厚みが凄いな。斜めに壁を振っているので、光が綺麗に壁に当たり、拡がりをもたせています。
こちらはお食事ができる茶寮紫扉洞への入口。
囲炉裏のあつ天井の高い空間が垣間見れます。
さて、バーに向かいます。
雪見障子の入った正面の開口部からは石壁を背にしたつくばいが見えます。
照明も見事です。
この左側が旅館のフロントカウンター。こじんまりしていていい感じです。