山荘 無量塔(2) バーの前室 アーチの入口が、期待感を煽る
さて、玄関からラウンジを抜けて直角に廊下を曲がると、階段があります。
その階段の奥にはアーチの門が。
そのアーチの門の右側は、腰高の窓。
開口部を目線よりも低く開けることで、歩いている人は、自然に外の庭を眺めることになります。
窓の前に置かれた2脚の椅子も空間を引き締めています。
ガラスだけではなくて、その上の部分に格子をはめ込んであるところも良いですね。
アーチは太い木で造られ、存在感があり、ぐっと迫ってきます。
開口部の奥は天井の高い階段室。
この階段室は、バーへ行く前室。
あえて階段を部屋としてまとめることで、意識が変化します。
床は粗い石貼り。結界ですかね。廊下にただ階段があるのでは無く、ひとつのスペースにすることで
奥行感がでてきます。
階段を振り返るとこんな感じ。自然光が腰より低いので、安定感と落ち着き感じさせながらもけっして暗く感じない。j
さらにアーチをくぐってから振り返るとこういう空間構成です。
天井の高い階段室
正面の壁には額の付いた鏡
ここにも椅子を配することで、通過動線では無く、空気が溜まるスペースとして認識されます。
石の床、左官による塗り壁、梁を表した天井。
階段部分の床は種類の異なる石の上にカーペット
流動的なスチールと木による手すりも見事
いろいろな素材で構成されていますが、どれも自然素材でありトータルとして空間に上手く溶け込んでいます。