福岡の西日本シティー銀行本店 解体される名建築
JR博多駅を降りた駅前広場に立つと、まず目に入るのがこの赤い石の塊。
建築家磯崎新氏の設計による旧福岡相互銀行本店です。
外壁は、重厚なインド砂岩。そのインド砂岩の赤い壁を背景に手前には赤い花崗岩の梁。
が見えるはずでしたが、すでに低層部の梁の部分には足場が架けられ見えませんでした。
この名建築は、1972年竣工。48年前。
当時の銀行頭取が建築家に求めたものは、街の彫刻としての建築というありがたく、やりがいの出る注文でした。
見事その要望に応えた磯崎さんはさすがです。
今年残念ながら、この名建築が解体されることになりました。
この石の塊は、もう二度とできないでしょう。建築遺産として残すべき建築なんです。
街のシンボルが無くなるのは、市民にとっても痛手のはず。
建築学会はじめ建築団体は勿論保存要求を出してきたわけですが、経済優先の日本では、ありがちな結果とまたしてもなったわけです。
住宅建築と違って大きなボリュームの公共建築は、街や人の対しても影響力が大きいですよね。この赤い石の塊が、無くなるのは大きな精神的、文化的損失でもあると思います。
大きな厚い石の板が何枚かつながるようなイメージです。
側面
そして駅広場と反対面
隣の石を貼ったモダン建築と比較しても、石の壁面の面積が大きいことがわかります。それだけ、重厚感が出るという事。