湖北白ばら幼稚園 ランチ棟 始原的で魅力的な、山中裕一郎さん設計の木造建築
建築家山中裕一郎さん設計の湖北白ばら幼稚園のランチ棟を見学しました。
まずは外観
写真で見ていたよりも可愛い感じがしました。
園児のスケール感にピッタリ。
まずは、ローコストで作ることから、壁がありません。
立ち上がっているのは基礎。
したがってこの建物は屋根の建築なんですね。
こちらは、スクエアーな厨房部分が食い込んでいる外観
屋根のスレート葺きもなんだか可愛い。
エントランスは脇からです。ドーマーが付いたエントランス
内部は気持ち良いワンルーム
平面が直線とカーブからなっていて、そこに梁が架かっています。
その梁も流通材の6mものの柱を2つに割ったものだそうです。
そして驚くことに屋根最上部に付く棟梁がありません。
梁が両側から延びてきて、それを頂点で金物で止めています。
しかも平面の一方が開いてくるので、6mの梁が接点ではずれるのですが、そこを木が持つしなりで、曲げて接合しています。
こうしてすべて同じ6mの梁を合わせていくと屋根の形も可愛い曲線になります。
梁の上に野地板を貼り、それが連続することで面剛性が取れて強固な構造となっているとの事。
シンプルな構造でありながら、デザイン的にもコスト的にも優れた結果を出しています。
山中さんがおっしゃるには、工場で作られた集成材ではなく、木が持つ繊維の強さ、無垢材の素材感を大切にされたとか。
確かに集成材は木本来の特性を封じ込んで、無理矢理構成したという一面もあります。
素材の良さをそのまま表現したこの建物は本当に素晴らしいと思いました。
大きな開口からはお日様の光が入ります。
ロフトからの眺め
屋根の妻面は一方は広い園庭に面し、もう一方は豊かな田園風景が見える方に開いています。
風通しも良いし、気持ち良い。