白井晟一入門(7) 松濤美術館 有機的な螺旋階段
松濤美術館には、2つのらせん階段があります。
一つは、通常の開館時にゲストが使うもの。これは、美術館にいけば、いつでも利用できます。
もう一つは、内部の関係者が使う事務用の階段。
この2つのらせん階段は、共に有機的な形状、洞窟の中に掘りこめれたようなデザインがなされています。
しかも当初は、とにかく暗い階段だったそうです。
その暗さは、地下2階から地下1階にあがる所で体感できます。
照明器具は勿論白井晟一デザイン。
光とフレームの影が、壁に移されるように考慮されたもの。
階段見上げ
今は、その暗さが問題になった為、電球をワット数の大きなものに変えて、かなり明るくしたそうです。
僕としては、暗い方が好きです。海外の美術館なんて、とにかく暗い。区立美術館ですから仕方ありませんが。
こちらは、最下階の階段の面白いデザイン。
階段の縁の白い段々がそのまま伸びています。
上から見たところ。
確かに最下階の平たい床が見えるよりも、階段そのものが地面にすり寄っていく感じがして良いですね。
この階段の設計には相当なこだわりがあったそうです。そらそうだ。手すりも生きているみたいに滑らか。
設計するほうも大したものですが、それを実現した金物屋さんと職人さんの腕が光ります。