紀尾井清堂で開催中の「奇跡の一本松の根」展
千代田区紀尾井町に完成した、機能のない建築、紀尾井清堂。
機能が無いというのは、特定の機能に縛られず、いろいろな使い方ができる建築ということです。
設計は内藤廣氏。
今、その紀尾井清堂では、陸前高田の復興のシンボルとなった「奇跡の一本松展」が行われています。
震災で唯一残った奇跡の一本松ですが、塩害と虫害により枯れてしまいました。しかし、その姿は、復興を目指す市民の心の拠り所となっていたので、
保存という道が取られたわけです。残っているのは、根っこの部分。この根っこの部分が展示され、あと、映像展示がされています。
この根っこを見ますと、その大きさに驚かされると同時に、他の松もこの大きさであったにもかかわらず、ほとんどが流されたわけですから
津波のエネルギーの凄さ、怖さが実感できます。
根っこの部分が展示されているのは、地下部分。
コンクリートの4本の柱が、建物全体を地面から持ち上げていて、スリットからは光が注がれます。
美しいコンクリートの打放仕上げ。そしてねじりが加えられた重厚感のある柱。
床は、石州瓦を焼く際の釜で棚板として使われたタイルを1年半かけて集めた素材感が感じられるものです。
玄関部分
外部の玄関廻り
細かい、練り込まれたディテールが心地よい。