紀尾井清堂(3) 見事な職人技が見える建築
最近は、薄っぺらい建物が多い中、この紀尾井清堂は、久しぶりに実のある建築でした。
職人さんの手造り感が随所に見られます。
勿論、設計者のアイデアは素晴らしいのですが、それを実現させるのは職人さん。
その技術が無い限り、このような建築はできません。
2階から4階までの吹き抜けとなったホール
その吹抜けを渡る、ゆるやかなブリッジ
このブリッジがスクエアーの空間に縦の流れを生んでいます。
ブリッジは、緩やかで登り、下りも楽ちんです。
3階の床の一部は鉄骨スラブに支えられています。
上から見ても、このブリッジが空間の質を高めているのが解ります。
階段の手すりの細かいディテール
内部に放たれた数少ない窓ですが、そこの日よけ・目隠し戸のディテール
溝をつくることで、日が中に入るのを防いでいます。
2階、3階の回廊の天井は極めてシンプル。空調機も隠さず露出。そこにルーバーを設ける事で、目に留まらないようにしています。
壁は、板の横張。隙間があって、その奥には吸音材パネルが貼られています。
この横に貼られた板なんですが、上から留めたビスは、見当たりません。どうやって壁に留めてあるのか?
床は、木フローリングですが、ここはやはり多くの人が利用するので、塗装がかけられています。
3層の吹き抜けの為、防火区画が必要で、吹き抜け廻りには防火シャッターが入っていますが、その納まりも全く気にかけないぐらい、きちんと納まっています。
そして9つの穴から光が注がれるトップライト
コンクリート打放が綺麗です。
型枠の木が、上に行くほどその幅が狭くなっています。台形に造られた板を張り合わせて型枠としているんですね。
非常に手間がかかる仕事。