水戸市低区配水塔 シンボリックな可愛らしい建物
水戸市にはいろいろな特徴的な建物がありますが、この給水塔もそのひとつ。
水戸市の中心お堀の近くにボツんとあるので、良く見えるし、そのシンプルかつ特徴的な色と形がすぐに目に留まりました。
水戸市低区配水塔と言いまして、水道を高所に溜めて、重力を利用して各所に配水する塔です。
低区というのは、水戸市には高区と低区があり、それぞれに給水塔が設けられていました。
高区給水塔は現存せず。
この建物がRC造ですがこの中に鋼製の水槽が設けられていて約360トンの水が蓄えられていました。街の命を守るシンボル的な建物でもあったわけです。
ベージュの下部とバルコニー、その上に円筒の薄いブルーが載り、てっぺんには尖塔も見えます。ブルーの壁の正面には2つの消防ホースの装飾レリーフも見られます。
何とも言えない可愛いらしさを感じさせてくれます。
設計したのは、水道技師の後藤鶴松。
入口は、かなり凝ったつくりで、入口を特に強調するため陰影ができる掘りが深いゴシック調の装飾がなされています。
各所の窓もアーチや丸窓があり。それぞれの窓に装飾が施されていて、賑やかな外観になっています。
ブルー壁に陰影をつける付け柱のトップには交互に赤と白のランプ。
正面三角窓の間の壁には水戸を象徴する梅の型の中に水の文字
階段の両側には水鉢
階段両側の肘がでてくるような有機的な
石の造形もなかなか。
横から見ます。
バルコニーを支える、リズミカルな柱梁
基壇廻り
この建物は、有形文化財になっています。
今では決して作れない、水の歴史を伝える貴重な建築です。