白井晟一 親和銀行大波止支店 文化遺産としてのモダニズム建築
長崎市街地の大波止には建築家白井晟一の設計した親和銀行大波止支店があります。
佐世保の親和銀行本店の設計前1962年に完成。56年前の建物ですが今でもそn存在感が十分。時を超えた建築です。
長崎市内に走る市電停留所のすぐ前にあります。
曲面の壁の前に設けられた水平ラインが強調された庇が付き、深い陰影を生むファサード。
曲面壁にはアーチ型の開口部が付き、そのほかはすべて石の外壁。実に印象に残るシンプルかつ、ダイナミックな立面構成です。
長い庇を支える柱は、控えめに建ち、正面は石が貼られ、側面はステンレス板となって、その存在感を消しています。
正面の左右に入口。今は左側がATMの入口となっていますが、本来は右側が正式な玄関となります。
南玄関の扉は、中軸回転の大きな1枚扉。そして玄関前には大きな庇によって造られたポーチ。
さらに、曲面の壁と庇の間には水盤が設けられています。水盤はこころを鎮めてくれるように静かにたたずみます。
光が水盤にあたり、反射して銀行室内の天井にその光が写りこむ。
道路つたいに側面に回り込みます。上部に放たれた縦長の開口部は、銀行の営業室内に効果的な光をもたらします。
後ろの部分は増築部
内部はもちろん写真は不可ですが本からの掲載では完成時はこのような感じです。
窓が正面のアーチ開口がメインなので、暗いかと思いきや、この開口部が悲境に効いていて、暗さは感じられません。
また、吹抜けホールの2階部分にも、効果的な開口部が設けられていて、そこまらの光が光として感じられる。
窓とはこういうものかと、改めて認識させてもらいました。